相撲の錦絵

江戸中期、「勧進相撲」が春秋2回の定期興行となったのと共
に相撲版画も急速に発展、明和初年(1764年)に『見当』(摺り
の時に版ずれをなくす為に全ての版木に彫り込まれる目印の
事。)の発明によって、これまでの墨一色摺や紅摺から「錦絵」
という木版多色摺版画が誕生。

勝川春章(1726〜1792)による似顔絵の相撲錦絵が創始される
と、弟子の春好、春英、春山、春潮、春朗(後の北斎)、春亭らに
より寛政相撲黄金期の谷風、小野川、雷電などの大力士が競っ
て描かれた。

相撲錦絵の絶頂期は天明〜寛政期(1781〜1800年)で東洲斎
写楽も1794年に数点残している。化政期には歌川国貞ら、歌川
派の絵師により多作された。

明治に入り、色インクの輸入染料を多く使うようになり、生々しい
色調の版画となってしまい、更に写真ブロマイドの流行によって
追われるように錦絵は消滅する。



版下
版下 描画風景
絵師が錦絵の形にあわせた下絵をおこし、
美濃紙などの薄い和紙に墨線だけを清書
した版下を彫師に渡す。
彫り
彫師 彫師は山桜の板目の一枚板に
版下を裏返しにして貼り、裏から
彫る。版下の原画は版面と一緒
に彫られ、残らない。更に絵師の
色つけにあわせて色板を彫って、
摺師に渡す。
彫師 木島重男  東京伝統木版画工芸協会発行
             『名所江戸百景』パンフレットより

摺り 伊藤美術木版
伊藤美術木版 写真掲載/週刊現代 1992/1/25号より
摺師は風を嫌い、閉めきった工房で紙に適当なしめり気をあたえて、
版木も紙も乾燥しないうちに溶いた顔料を日本独自のバレンひとつで摺る。


  其の1 其の2
摺り順序 其の1
錦絵の摺りの順序




( )内の数字が摺り
の順番になります。
摺り順序 其の2 摺り順序 其の2-b
(1)地墨板(じずみいた)を
最初に摺る
『見当』を合わせながら色版
を順に重ねる。
(2)まずは肌色を1色摺る。
其の3 其の4
摺り順序 其の3 摺り順序 其の3-b 摺り順序 其の4 摺り順序 其の4-b
(3)もう1色肌色を重ね
濃淡を出す。
(4)からし色の版を摺る。

其の5 其の6
摺り順序 其の5 摺り順序 其の5-b 摺り順序 其の6 摺り順序 其の6-b
(5)青色を摺る。

(6)紺色を重ねる。

其の7 其の8
摺り順序 其の7 摺り順序 其の7-b 摺り順序 其の8 摺り順序 其の8-b
(7)紫色を摺る。

(8)土俵と綱の灰色を摺る。
其の9 千代の富士/完成品
摺り順序 其の9 摺り順序 其の9-b 摺り順序 其の10
(9)赤色と(10)唇の色を
摺り、
(11)バックの紺色
を摺る
(12)鬘(かつら=
髪の毛)と眉、目の地墨の
上に、また四股名部分も
艶墨(つやずみ)で摺る。
(13)バックの紺の上に、
雲母摺(きらずり)という
雲母粉を地つぶしに乗せ
て、完成。


木版画内容体裁

 ●古法純手摺オリジナル木版画
 ●絵    師  木下 大門
 ●彫師・摺師 共に文化庁指定重要民族文化財選定技術者
 ●用    紙  越前生漉奉書
 ●版画サイズ タテ37.5cm×ヨコ25.5cm
 ●体    裁  鳥ノ子和紙三枚台紙入
          又は、特製額縁入
 ●販売価格  木版画 1枚  21,000円(税込)
 ●販売価格  額縁入 1枚  34.000円(税込)
         ※【直筆サイン入り限定版】稀勢の里のみ
         特別価格54.000円(額装)となります。



「相撲錦絵」本場所開催中のみ両国国技館内、正面特設売り場で
版元(京都版画院)が直接展示販売しています。ご来場の際には是非、
お立ち寄り下さい。

※当ホームページからも通販でお申し込み頂けます。



☆ご購入はこちらの通販ページからどうぞ。




錦絵ギャラリー2 その壱 その弐 その参 その四 その伍 番外
・錦絵について ・佐田の山
・柏戸

・大鵬
・初代若乃花
・栃錦
・照国
国技館茶屋風景
・大関四人衆

・北の湖
・隆の里
・高見山
・北の冨士
・大乃国
・旭冨士
・千代の富士/双羽黒

・北勝海
・千代の富士/北勝海
・北の湖/千代の富士
・若花田/貴花田
・貴花田
・小錦
・双羽黒
・両国五人大男
・大相撲歴代横綱

・武蔵丸
・若乃花
・曙
・白鵬土俵入り
・番外編


・錦絵ギャラリー1へ ・錦絵ギャラリー3へ ・中判錦絵〜歴代横綱へ


(禁)無断転載・複写

Please do not use any images ( artworks and photos on my
site) on your site without permission.